ラージャガハ(王舎城)において
『大般涅槃経』は、仏陀(ブッダ)が、入滅の半年から一年ほど前に、マガダ国の都ラージャガハ(王舎城、現在のラージギル)のギッジャクータ山(霊鷲山)に滞在しておられたときから始まります。
仏陀(ブッダ)は、マガダ王国の首都ラージャガハ(王舎城(おうしゃじょう))近くにあるギッジャクータ山(霊鷲山(りょうじゅせん))を根拠地にして、活動していました。
そのころ、マガダ国のアジャータサットゥ(阿闍世)王は、隣国ヴァッジ族を征服する野望に燃え、仏陀(ブッダ)のもとに大臣をつかわして意見を求めましました。
仏陀(ブッダ)は、
かってヴァッジ共和国で、国を衰亡させないための七つの法を説いたこと、ヴァッジ共和国の人々がその法を今も守っていることをアーナンダ(仏陀の身のまわりの世話をしていた、もっとも見近な弟子)に確かめ、その七つの法を守っているかぎり、ヴァッジ共和国の衰亡がないことをヴァッサカーラに伝えましました。
仏陀(ブッダ)は、ヴァッジ人が「衰退することのない七つの法」(七不退法)を守っているかぎり、征服しがたいことを示唆されのです。
仏陀(ブッダ)は、アーナンダにラージャガハに住む修業僧をギッジャクータ山(霊鷲山)の講堂に集めさせて、比丘たちにも教団が衰退しないための七つの法をいろいろ説かれましました。
■会議をしばしば開催し、多くの者が参加すること
■共同して、集合、行動、教団のなすべきことを行うこと
■定められた戒律を守って、実践すること
■経験者、長老、教団の指導者を尊敬し、彼らの言うことを聴くこと
■迷いの生存を引き起こす愛執に支配されないこと
■修業のため、林間に住むこと
■心のおもいをを安定させて良い指導者とともに暮らすこと
中村元「ブッダ最後の旅」3
これは1973年2月18日NHK教育放送 宗教の時間の録音です。
当時、中村先生は東大教授で61才 奈良先生は駒沢大学助教授で44才です。
日本の誇る偉大な宗教学者中村先生の心のこもったお話です。
中村元「ブッダ最後の旅」4